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板倉 隆二; 伏谷 瑞穂*; 菱川 明栄*; 佐甲 徳栄*
AIP Conference Proceedings 1702, p.090021_1 - 090021_4, 2015/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)超高速多チャンネル光イオン化によって生成したイオンのコヒーレントダイナミクスについて光電子-光イオン相関の観点から理論的に調べた。Arの1光子イオン化に対するモデル計算から、9fsのパルス幅を持つフーリエ限界極端紫外パルスによってイオン化した場合、イオンをモニターしただけでもArのスピン軌道2準位(J=3/2および1/2)に関連したホールのコヒーレントダイナミクスが認識できることが分かった。一方、チャープパルスを用いた場合にはコヒーレンスは見えなくなる。チャープパルスによるイオン化の場合でも、光電子と光イオンの同時計測を行えば、ホールのコヒーレントダイナミクスは抽出できることが示された。
松本 太郎; 岸本 泰明; 宮戸 直亮; Li, J.*
Journal of Plasma Physics, 72(6), p.1183 - 1187, 2006/12
被引用回数:6 パーセンタイル:21.49(Physics, Fluids & Plasmas)磁場閉じ込めプラズマでは、さまざまな時定数及び特徴的長さを持つ乱流揺動と、それによって二次的に生成される帯状流とが、相互作用しつつ輸送過程に影響を及ぼす。このような時空間スケールが異なる揺らぎが混在している系における輸送の解析には、シミュレーションによる再現とともに、それらの揺らぎの特性をさまざまな側面から同定し、特徴付けることが重要である。本研究では、ジャイロ流体モデルを用いた電子温度勾配(ETG)モード乱流の3次元スラブ配位シミュレーションを行い、異なる磁場及び温度勾配の条件の下で、帯状流の形成や間歇的な熱流束等の輸送特性と、揺動から得られる相関次元,確率密度関数(PDF)等の統計量との関係を明らかにした。また、電場と圧力揺動とのクロススペクトル解析から、帯状流による乱流輸送の低減が、異なる二つの素過程に起因することを明らかにした。
錦野 将元; 田中 桃子; 川染 勇人; 河内 哲哉; 佐々木 明; 長谷川 登; 越智 義浩; 岸本 牧; 永島 圭介; 大西 直文*
AIP Conference Proceedings 827, p.499 - 504, 2006/04
光量子科学研究センターでは2個のターゲットを用いるダブルターゲット方式により従来よりも高コヒーレントなX線レーザーの生成に成功した。この高コヒーレントX線レーザーを応用研究に利用するために増幅ターゲットのプラズマ長を長くしたりレーザー照射方式を進行波励起に変更することにより増力化に関する実験を行った。この増力化実験により高コヒーレントX線レーザーの空間的な発散角は大きくなったが、その出力は最大約1マイクロジュールとなった。この高コヒーレントX線レーザーは、単色性・高輝度・短パルスという優れた特性も持つため、X線顕微鏡やX線干渉計測などの応用研究への利用が期待されている。そこで固体表面や高密度レーザープラズマの高空間分解計測を目的としたマッハ・ツェンダー型のX線レーザー干渉計測法の開発を行った。過渡励起方式によって発生させた数psのパルス幅を持つ波長13.9nmのX線レーザー光を透過型回折格子に透過させて2つのビームに分け、その後ミラーにより2つのX線レーザービームを重ね合わせてできたX線干渉像の様子を計測することができた。今後、高空間分解の干渉計測法としてバイミラーを使った干渉計測法や軟X線ホログラフィなどの計測手法と比較し、高空間コヒーレンスを利用した計測法を開発していく予定である。
助川 鋼太*; 岸本 牧; 加道 雅孝
JAERI-Tech 2004-077, 21 Pages, 2005/01
現在X線レーザー研究グループでは、ダブルターゲット方式を用いた高輝度・高空間コヒーレンスのX線レーザーの開発を行っている。ダブルターゲットX線レーザーは、X線干渉計測やX線スペックル計測などに応用される。ターゲットアライメント精度は、第1ターゲットから生成された種光を第2ターゲットに導入するために非常に重要である。要求アライメント精度を達成するためにターゲットアライメント装置の開発を行い、高精度及び高安定という点において新しいターゲットアライメント装置を設計,製作した。ターゲット位置の安定性に関して、真空引きのターゲット真空容器の歪みによるターゲット位置変動は10m以下、ポンプの振動によるターゲット位置変動は4rad以下であり、高い安定度を得られることを確認した。また、ターゲットアライメント装置の分解能はそれぞれで並進方向で6m、回転方向で20rad、安定度は12m, 40radであることがわかった。
錦野 将元; 川染 勇人; 田中 桃子; 岸本 牧; 長谷川 登; 越智 義浩; 河内 哲哉; 永島 圭介
IPAP Conference Series 7 (Proceedings of 8th International Conference on X-ray Microscopy (XRM 2005)), p.423 - 425, 2005/00
光量子科学研究センターでは2個のターゲットを用いるダブルターゲット方式により従来よりも高コヒーレントなX線レーザーの生成に成功した。その後の増力化実験により高コヒーレントX線レーザーの空間的な発散角は大きくなったが、その出力は最大約1マイクロジュールとなった。物質の微細構造や高密度プラズマのダイナミクスをプローブ光により高空間分解で計測する場合、より短波長のX線領域の光をプローブ光とする必要があり、また、この高コヒーレントX線レーザーは、単色性・高輝度・短パルスという優れた特性も持つためX線顕微鏡やX線干渉計測などの応用研究への利用が期待されている。そこで本実験では固体表面や高密度レーザープラズマの高空間分解計測を目的としたマッハ・ツェンダー型のX線レーザー干渉計測法の開発を行った。過渡励起方式によって発生させた数psのパルス幅を持つ波長13.9nmのX線レーザー光を透過型回折格子に透過させて2つのビームに分け、その後ミラーにより2つのX線レーザービームを重ね合せてできたX線干渉像の様子を計測することができた。今後、高空間分解の干渉計測法としてバイミラーを使った干渉計測法や軟X線ホログラフィ等の計測手法と比較し、高空間コヒーレンスを利用した計測法を開発していく予定である。
永島 圭介; 田中 桃子; 錦野 将元; 岸本 牧; 加道 雅孝; 河内 哲哉; 長谷川 登; 越智 義浩; 助川 鋼太*; Tai, R.; et al.
Applied Physics B, 78(7), p.927 - 932, 2004/05
波長13.9ナノメートルでの空間フルコヒーレントX線レーザーの開発に成功した。この実験は、2つのレーザー媒質を用いて、第1の媒質から得られるシード光を第2の媒質で増幅するもので、ビーム発散角が0.2ミリラジアンという極めて指向性の高いX線ビームが生成された。この発散角は、回折限界の2倍以内である。シード光は第2媒質中で屈折の影響無しに増幅されており、増幅係数はセンチメートル当たり約8であった。また、可視度の測定から、空間コヒーレンス長がビーム径より大きいことがわかった。こうした空間コヒーレンスの高いX線レーザーの応用研究として、強誘電体であるチタン酸バリウムの表面分域構造の観測を行い、キュリー温度近傍での分域構造の変化を明らかにした。
永島 圭介; 田中 桃子; 錦野 将元; 岸本 牧; 加道 雅孝; 河内 哲哉; 長谷川 登; 越智 義浩; 助川 鋼太*; Tai, R.
プラズマ・核融合学会誌, 80(3), p.236 - 240, 2004/03
空間フルコヒーレントX線レーザーの開発に初めて成功した。このX線レーザーは、波長13.9ナノメートルで、ビーム発散角0.2ミリラジアンという極めて指向性を有する。実験では、2つのレーザー媒質を用いて、第1の媒質から得られるシード光を第2の媒質で増幅した。この場合、第2媒質は空間フィルターとして機能している。観測されたビーム発散角は、回折限界の2倍以内である。シード光は第2媒質中で屈折の影響無しに増幅されており、第2媒質の増幅領域は、ターゲット表面から離れた低密度領域に生成されている。また、可視度の測定から、空間コヒーレンス長がビーム径より大きいことが明らかになった。
永島 圭介; 加道 雅孝; 錦野 将元
JAERI-Research 2003-035, 10 Pages, 2004/02
コヒーレントX線を用いた利用研究とそのための光学技術開発は、今後期待されている新しい研究分野である。日本原子力研究所では、世界で初めて空間的にフルコヒーレントの軟X線レーザーを開発することに成功した。このX線レーザーをフレネルゾーンプレートで集光して超高強度のナノX線ビームを生成する実験装置を製作した。数値計算によって詳細な集光特性を評価した結果、およそ5W/cのX線強度が得られることがわかった。
錦野 将元; 田中 桃子; 永島 圭介; 岸本 牧; 加道 雅孝; 河内 哲哉; 助川 鋼太*; 越智 義浩; 長谷川 登; 加藤 義章
Physical Review A, 68(6), p.061802_1 - 061802_4, 2003/12
被引用回数:61 パーセンタイル:89.32(Optics)過渡励起方式のX線レーザーは単色性・高輝度・短パルスと優れた特性を持ち、X線顕微鏡やX線干渉計測などの応用研究への利用が期待されている。光量子科学研究センターではX線レーザー(波長13.9nm)の指向性や空間コヒーレンスを向上させるため、ある程度の距離を離して配置した2個のターゲットを用いるダブルターゲット方式により高コヒーレントX線レーザーの発生実験を行った。その結果、従来よりも1桁程度発散角の小さい(ビーム発散角0.2mrad)、非常に指向性の良いX線レーザーを発生させることに成功した。今回、ダブルスリットを用いたyoungの干渉実験により、ダブルターゲット増幅X線レーザーの空間コヒーレンスの計測を行った。X線レーザーの空間コヒーレンス度は、ダブルスリットによって形成される干渉縞の可視度から評価することができ、このX線レーザーの空間コヒーレンス長が、垂直方向・鉛直方向ともにX線レーザーのビーム径よりも長いフルコヒーレントな状態であることを確認した。
田中 桃子; 錦野 将元; 河内 哲哉; 長谷川 登; 加道 雅孝; 岸本 牧; 永島 圭介; 加藤 義章
Optics Letters, 28(18), p.1680 - 1682, 2003/09
被引用回数:64 パーセンタイル:90.06(Optics)高強度で高コヒーレントなパルスX線源は材料・生物分野に有用な光源とされており、そのような光源を実験室規模で実現しうるX線レーザーは精力的に研究されてきた。中でも過渡利得方式によるX線レーザー発生は、小型で短波長X線レーザーを実現しており、高い利得、数ピコ秒程度のパルス幅などの特徴を持っている。しかしながらこの方式では、利得が大きいために短い媒質長で飽和増幅に達してしまうことや、プラズマの密度勾配による屈折の効果になどにより、ビーム発散角が10mrad程度と大きく空間コヒーレンスも他方式と比べて低いという難点があった。今回われわれは、2つの利得媒質を用いることにより、波長13.9nmのX線レーザーをビーム発散角0.2mrad(回折限界の1.8倍)で発振することに成功した。このX線レーザーは、最初の媒質から発生させたパルスX線種光を2つ目の媒質で増幅させるという方法で発生させている。X線種光を空間的・時間的にコントールして2つ目の媒質に入射することにより、媒質中でX線が屈折する効果を抑え、発散角が広がるのを防いでいる。
Tang, H.; 大道 博行; 岸本 牧; 助川 鋼太*; Tai, R.; Mesesson, S.*; 田中 桃子; Lu, P.; 河内 哲哉; 永島 圭介; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 42(2A), p.443 - 448, 2003/02
被引用回数:14 パーセンタイル:50.33(Physics, Applied)本論文では、過渡衝突励起方式のニッケル様Ag X線レーザーの空間コヒーレンスを報告する。X線レーザー励起のために、波長1.053mの1psレーザーパルスが銀のターゲットを照射すると、波長13.9nmニッケル様Ag軟X射線レーザーが発生する。X線レーザービームが、銀ターゲットから距離1mに取り付けたスリット-アレイに伝播すると、出力のX線回折パターンが、X線CCDに記録される。この回折パターンに基づく、ターゲットから距離1mの位置における、X線レーザーの空間コヒーレンスが計算された。このX線ビームのコヒーレンス分布特性も評価された。
町田 昌彦; 小山 富男*
Physica C, 378-381(Part1), p.443 - 447, 2002/12
最近、超伝導磁束量子コア近傍における電荷の分布が注目され、幾つかの条件下では電荷の中性条件が破れているという提案がなされてきた。また、高温超伝導体に対して電荷分布を実際に測定するという実験も行われ、実際に磁束コア近傍には電荷が堆積していることが確かめられている。こうした事情を背景とし、報告者らはこれまでの現象論的解釈を越え、微視的BCS理論をもとにして電荷分布を計算する理論を構築し、実際に数値シミュレーションによりその分布を求めた。その結果、電荷分布は磁束中心を中心として超伝導コヒーレンス長程度の振動を見せながら減衰することがわかった。
吉井 賢資; 阿部 英樹*
Superconductor Science and Technology, 15(10), p.L25 - L27, 2002/10
被引用回数:11 パーセンタイル:50.69(Physics, Applied)MgCl, NaCl, KCl及びMgBOの混合溶融塩に対し、Arフロー下600Cにおいて電析を行ったところ、超伝導体MgBを含む析出物が得られた。この試料に対し、ゼロ磁場下の電気伝導測定を行ったところ、超伝導転移が約37Kで観測された。この温度は磁化測定から得られたものと近い。抵抗率は約32K以下でゼロとなった。電気伝導率の外部磁場依存性から、0Kでの上部臨界磁場及びコヒーレンス長は9.7T及び5.9nmと求められた。
永島 圭介; 河内 哲哉; 加道 雅孝; 田中 桃子; 長谷川 登; 助川 鋼太*; 難波 慎一; Tang, H.; 大道 博行; 加藤 義章
プラズマ・核融合学会誌, 78(3), p.248 - 255, 2002/03
超短パルスレーザーシステムを励起光源に用いて過渡的衝突励起方式による小型のX線レーザー開発を行っている。励起レーザー光はチタン,銀,スズといった金属ターゲット上に直線状に集光している。これにより、32.6nm(チタン),13.9nm(銀),11.9nm(スズ)の波長でX線レーザーの発振に成功している。さらに、こうしたX線レーザーの空間コヒーレンスを向上させるために高コヒーレントシード光の増幅実験を計画している。
加藤 義章; 大道 博行; 永島 圭介; 河内 哲哉; 長谷川 登; 田中 桃子; Tang, H.; Tai, R.; Lu, P.; 岸本 牧; et al.
AIP Conference Proceedings 641, p.31 - 39, 2002/00
光量子科学研究センターにおけるX線レーザー開発の最新の成果を報告する。X線レーザー研究専用装置として開発したコビーム,1ps Nd:ガラスレーザーを用い、進行波励起によりNi様銀イオンで13.9nmにおいて、また同すずイオンにより12.0nmにおいて、飽和増幅を得ることに成功した。さらに、Ni様ランタンイオンで8.8nm,気体アルゴンターゲットで46.9nm,同キセノンで9.98nmでの高利得増幅を観測した。プラズマ増幅器への注入増幅による高コヒーレントX線レーザー光の生成の計画を報告するとともに、新たに開発した340TWチタンサファイアレーザーによる内殻イオン化X線レーザーの研究について述べる。
小池 雅人
平成9年度-平成12年度科学研究費補助金,研究成果報告書(研究課題番号09309001), p.70 - 76, 2001/03
東京大学高輝度光源(VSX)利用計画では軟X線顕微鏡ビームラインの一つとして投影型顕微鏡が検討されているが、ビームラインとしては挿入光源(アンジュレータ)の空間及び時間コヒーレンスを最大限に利用するように設計することが重要である。ビームライン構成としては時間コヒーレンスの確保のための分光器、空間コヒーレンス確保のためのピンホール,ゾーンプレート,アパーチャーなどである。軟X線顕微鏡の場合ゾーンプレートの縞数に対応した約1000以上,同分光顕微鏡の場合できる限り高い波長分光能が要求される。また波長領域としては50eV~1.5keVをカバーできることが望ましいとされている。ここではVSX光源の27m長尺アンジュレータを想定して、不等間隔溝平面回折格子を用いたMond-Gillieson型分光器を用いた軟X線分光顕微鏡用コヒーレントビームラインの光学設計について検討した内容について報告する。
土屋 良重*; 花栗 哲郎*; 安田 英彰*; 前田 京剛*; 笹瀬 雅人; 北條 喜一; Steel, D. G.*; Lee, J. U.*; Hofman, D. J.*
Physical Review B, 59(17), p.11568 - 11574, 1999/00
被引用回数:8 パーセンタイル:45.63(Materials Science, Multidisciplinary)円柱状欠陥を含むBiSrCaCuOyの磁束液体面における異常な振る舞いをジョセフソンプラズマ共鳴と直流磁化を用いて研究した。その結果、磁束液体相の境界は磁場温度平面上ではほとんど水平、つまり温度依存性をもたないことがわかった。これは磁束液体相のカップリング相転移が磁場によって引き起こされる現象であることを示唆している。また、カップリング磁場B直下の磁場Bにおいて、面内の臨界電流の増大と面間位相コヒーレンスの急激な減少が同時に起こっていること、B,Bといった異常の起こる磁場はBよりもかなり低いことなどが観察された。これらの点は円柱状欠陥のTEM観察結果から得られた欠陥分布の不均一性が関係していると思われる。
羽様 平
PNC TN9410 98-073, 48 Pages, 1998/08
ミハルゾ法による未臨界度測定において、測定に付随する統計誤差を理論的に検討し、誤差を低減するための解析手法及び誤差の測定条件依存性を明確にした。統計誤差が従う理論式を原子炉雑音及び周波数解析の誤差理論より導出し、測定対象に固有の条件(即発中性子減衰定数等)や解析時の条件(周波数解析時の分解周波数幅等)に対する統計誤差の依存性を明らかにした。導出した理論式を用いて推定した誤差は測定値のばらつき(標準偏差)をほぼ再現しており、統計誤差を理論的に推定できることが確認できた。理論式を基に解析条件依存性を検討した結果、測定対象に応じて最適な解析条件が存在することが分かった。解析条件を最適にすると、最適にしない場合に比べ統計誤差が半分に低減され、同程度の統計誤差を得る場合の測定時間を4分の1に短縮することができた。本報告で導出した統計誤差の理論式を用いると、DCA実験体系における測定結果から他の測定体系で測定した場合の測定時間と統計誤差の関係を予測することができる。再処理施設に代表される溶液燃料体系の場合を予測すると、実効増倍率0.90を統計誤差1%で得る場合の測定時間は3秒程度となる。
村松 壽晴
PNC TN9410 98-013, 48 Pages, 1998/03
高速炉の炉心出口近傍では、炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量、集合体流量)の違いから、炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体-制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ、それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が炉心上部機構各部の表面近傍を通過すると、冷却材中の不規則な温度ゆらぎと構造物とが熱的な相互作用を起こし、その構造材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。本報では、当該熱的相互作用を定量的に把握する目的で行われた衝突噴流ナトリウム実験(TIFFSS-I)の時系列データを用い、定常不規則温度ゆらぎ挙動の周波数領域での検討を行った。得られた結果は、次の通りである。[自己パワースペクトル密度関数](1)流体境界層外から試験片内部に向かうに従い、高周波成分の寄与が大きく低下する。これは、境界層および流体から試験片への熱伝達による高周波成分に対するフィルタ作用によるものである。(2)ノズル流速に対する依存性は、境界層外温度、境界層内温度および試験片表面温度で観察される。ただしこの依存性は、20Hz以上の周波数帯についてのみ顕著である。これはノズル流速による乱流強度(乱流微細渦スケールのパワー)の上昇によるものと考えられる。[コヒーレンス関数](1)流体境界層内温度同士のコヒーレンシィは極めて小さい。これは流体境界層外温度が、乱流現象の本質である不規則挙動に支配されていることを示唆している。(2)異なる種類の熱電対間でのコヒーレンシィは、近距離にあるもの同士についてのみ高い値を示す。しかしながら、有意なコヒレンシィ値を示す周波数帯は、比較的低周波成分のみ限られる。[伝達関数](1)流体境界層外から流体境界層内、および流体境界層内から試験片表面への伝達関数では、3-10Hz近傍にゲインの高い領域が生じる。なお、20Hz以上の周波数領域では、非線形特性が卓越するようになるため、伝達関数に連続性が無くなる。(2)伝達関数はノズル流速の変化に対して大きな変化を示さず、普遍的表示式の導出に関する見通しを得た。
尾熊 律雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(7), p.543 - 554, 1982/00
被引用回数:7 パーセンタイル:62.17(Nuclear Science & Technology)出力炉での多変数雑音解析に有効な手法を開発する目的で、パーシャルおよびマルチプルコヒーレンス解析について研究した。本論分では在来のコヒーレンス解析手法は測定変数間でフィードバック効果を持つシステムに対して妥当性を持たない事、また測定変数間で入出力関係が既知であることを前提としている点で実際問題への適用上強い制約条件を持つことを明らかにした。これらの制約を取り除くために、ここでは新しいコヒーレンス解析の手法として「拡張されたパーシャルおよびマルチプルコヒーレンス解析」を提案し、その計算アルゴリズムを示した。シミュレーションスタディおよびJPDR-IIノイズデータ解析の結果ここで提案した手法は出力炉炉雑音解析にとって有効な道具となり得ることが示された。